
マンション?戸建て?
マンションと戸建てを徹底比較!メリット・デメリットも解説。
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物件価格で比較
マイホームの購入を計画している人の中には、マンション暮らし or 戸建てのどちらが良いか質問したい人も多いでしょう。
そのようなお悩みを抱えている方に、こちらの記事では次のポイントから両者を徹底比較します。
物件価格は、戸建てと比較するとマンションの方が高い傾向にあります。次の、国土交通省が実施している不動産価格指数の情報を見てみましょう。

2008年のリーマンショック後一度は下落していますが、その後は新型コロナウイルスのパンデミックを経て、2023年の現在まで継続してマンション価格の上昇が続いている状態です。
一方で、戸建て住宅の価格推移は2020年まで横ばい、その後は現在まで上昇に転じていますが、マンションほどの変化や伸びはありません。
販売価格が高いマンションの理由には、土地の価格相場(公示地価)の上昇や、建築資材の費用相場の高騰が挙げられます。
近年訪日外国人の増加による商業施設の発展や、都市開発などが影響し公示地価が上昇している状況です。
またそれに連動し、利便性が良いエリアに建設されるマンション価格が上昇しています。その他、円安による輸入原料の値上がりもマンション価格の値上がりに影響しています。
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ランニングコストを比較
マイホームの維持費として発生するランニングコストは、エリアや物件によっても異なりますが、戸建てと比較しマンションの方が高額になります。
マンションのランニングコストが高い主な原因は、戸建てにはない管理費や修繕積立金が影響しているからです。
都心を中心とした金額ですが、ひと月1万円以上の修繕積立金が発生しています。この他、戸建てには駐車スペースが設けられているケースも珍しくありませんが、マンションでは毎月の駐車場代の支払いが必要です。車を利用する人はその点も考えておく必要があります。ひと月の駐車場代は、1万円程度から例えば東京だと5万円を超えるケースも少なくありません。
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資産価値で比較
築20年までに手放すことを考えるなら、マンションの方が資産価値は高いです。
次の資料、国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」の「中古住宅の価格査定の例」のイメージを見てみましょう。
築20年前後の場所に注目すると、中古マンションの資産価値が60%程度まで落ちているのがわかります。
一方、戸建住宅はそれ以上の15%程度まで落ち込んでいます。
戸建ての場合、土地の部分については、どれだけ古くなっても価値がなくなることはありません。
しかし、建物の価値については築20年程度でほぼゼロになってしまいます。つまり、早く売るのであればマンションが有利ということになります。

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住みやすさで比較
ここでは、マンションと戸建ての住みやすさを5つの項目で比較しましょう。広さや設備などの違いに注目してみてください。
1)広さ
購入する物件によっても異なりますが、マンション建物内の平均専有面積(平方メートル)と比較すると、戸建ての方がより広い傾向にあります。
しかし、戸建ては階段があったりなど、マンションと比較してデッドスペースが多いのが実情です。実際に内覧して感じてみるのがいいでしょう。
2)風通しや日当たり
風通しや日当たりの良さを比較すると一戸建ての方が有利です。
マンションの場合、両隣に部屋があると室内の採光の場所が限られてしまう可能性がありますし、また外気を取り入れるにしても風通しが悪いケースが考えられます。
一方、一戸建てなら適切に窓が設けられているため、日当たりの良さや風通しの良さが期待できるでしょう。
3)設備
物件によっても異なりますが、最新設備の充実度を考えると、新築分譲マンションが有利でしょう。
例えば近年新築マンションでは、生ゴミのお悩み解消に高い性能を発揮するディスポーザーが採用されています。
戸建て住宅でも取り付け可能ですが、10万円程度の設置コストがかかってしまうでしょう。また、設置する際は条例に違反していないかの確認も必要です。
なお、新築・中古物件問わずいえることとしたら、マンションなら例えば1階フロアや敷地内にキッズルームや駐輪場などの共用施設があり利用できる場合があります。
一方戸建ては、駐車場代がかからないのが強みです。また、土地を自由に使える点もマンションと比較した際のメリットになります。
4)耐震性やセキュリティ
物件の違いによるところが大きいため、耐震性やセキュリティは、マンション・戸建てでどちらが有利かは断定できません。
耐震性については、震度5強程度の安全基準を想定した旧耐震基準の設計よりも、震度6以上でも倒壊しない基準を設けている、新耐震規準の建物の方が耐久性は安心です。
また、人命の他建物の損壊についても判断基準となる耐震等級を考えると、より高い物件の方が安心できます。
セキュリティについては、オートロックや近年戸建てで需要が伸びているホームセキュリティの導入があると24時間安心でしょう。
マンションでは、例えば常駐する警備員の存在や、エレベーター内に設置されている防犯カメラなどがあるとセキュリティ対策として強化されます。
なお、マンション1階は外部から見られやすいため、プライバシー保護の植木や塀があると有利です。
5)騒音
騒音問題を比較すると、戸建てよりもマンションの方がトラブルになる可能性が高いといえます。
というのも集合住宅であるマンションは、上下階や横など接する部屋からの音が気になる場合があるからです。
その点、建物が独立している戸建てなら上下左右の音を過度に気にする必要がないといえます。
そのため、マンション購入時に騒音問題が気になるのであれば、例えば壁の厚さや遮音性がある素材を使用しているかなど、防音性に注目しましょう。
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メリット・デメリット
そのほかにも、利便性のよさ、リフォームのしやすさ、老後の住みやすさなど、マンションと戸建てには、それぞれにメリット・デメリットがあります。
マンションのメリット
マンションのメリットには、次のポイントが挙げられます。
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セキュリティ面で安心できる
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他の住民とのコミュニケーションが取りやすい
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共用部分の清掃や管理をおまかせできる
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部屋に階段がないため老後でも暮らしやすい
防犯カメラや警備員の存在など、セキュリティ対策ついて考えるとマンションはより安心できるでしょう。
その他、管理会社や管理員に、廊下などの共用部分の清掃などをお任せできるのも手間がかからないポイントです。
また、コミュニケーションの形成が比較的簡単な点についても、人によってはメリットに感じます。
マンションのデメリット
マンションのデメリットには、次のポイントが挙げられます。
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近隣の住民とのトラブル
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毎月支払う管理費や修繕積立金
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駐車場が有料
マンションでは、上下や左右の入居者とのトラブルが考えられます。例えば、外国人住人が部屋でパーティーを開き、うるさくて困るといったことが起こるかもしれません。
その他、マンションでは住宅ローンの返済額の他、管理費用や修繕積立金(将来の大規模修繕費用などに充てられるお金)の支払いがあるので、毎月・毎年の負担で生活面が苦しいと感じる場面もあるかもしれません。
また、車を利用する人は毎月の駐車場代の支払いも考えておくべきです。
戸建てのメリット
戸建てのメリットには次のものがあります。
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比較的騒音トラブルが起こりにくい
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駐車場代がかからない
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管理費や修繕積立金がない
閑静な環境にある住宅街に関わらず、隣の家との距離がある戸建ては、マンションと比較し、生活音や足音などで騒音トラブルが起きにくいのがメリットです。
また戸建てだと、駐車スペース付きの物件も珍しくないので、その場合駐車場代を節約できます。
その他、管理費や修繕積立金がかからないため、それらの支払い年間負担を軽減したいなら戸建てが有利です。
戸建てのデメリット
戸建てのデメリットには次のものがあります。
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土地や建物の維持管理は自己責任
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セキュリティ対策に注意が必要
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老後階段がストレスに感じる可能性がある
戸建ての場合、土地や建物の維持管理は自分で判断しなくてはいけないため、苦手に感じる人もいるかもしれません。
その点が、管理組合にお任せできるマンションと比べデメリットと言えるでしょう。
同様にセキュリティ対策も必要です。窓が多く独立性のある戸建てでは、マンションと比較し空き巣などに狙われるリスクが高くなります。
また階段があると、将来高齢になって足腰を悪くした場合、上り下りの段差に伴う移動が負担に感じる可能性があるのも、戸建ての心配な点です。
ここまでマンションと戸建てのメリットやデメリットを見てきましたが、自分たちだけでは、どちらが合っているのかわからないということもあるかもしれません。
そのような場合は、不動産会社をはじめFP(ファイナンシャルプランナー)など専門家に相談してみるとよいでしょう。